SMにおける奴隷契約書とは？書き方のポイントと法的リスクを解説

2025年3月10日

どうも、SMTOYORUのヨルです。

SM（サディズム＆マゾヒズム）は、支配と服従の関係を楽しむプレイの一種で、海外ではBDSM（Bondage, Discipline, Sadism, Masochism）とも呼ばれます。

この世界には、主（あるじ）と奴隷（どれい）の関係を明確にするための「SM奴隷契約書」「調教契約書」というものがあります。簡単に言うと、お互いのルールを決めて、安心してSMを楽しむための約束ごとを書面にしたものです。

この記事では、奴隷契約書の基本構成、作成のポイント、安全に運用するための注意点を分かりやすく解説します。

また、法的なリスクについても触れ、トラブルを避ける方法を紹介します。

では、イきましょう。

MOKUJI

SM奴隷契約書とは？SMにおける意味と役割

SMの世界では、主と奴隷の関係を明確にするために契約を結ぶことがあります。これは単なる約束ではなく、お互いが納得したルールを文書化し、安心して関係を築くための大切な手段です。

SMにおける契約の重要性

奴隷契約書は、主従関係のルールを明確にし、お互いが安心してプレイできるようにするためのものです。

目的は大きく3つあります。

主従関係をはっきりさせる

何をするのか、どこまでOKかを決めることで、誤解やトラブルを防ぎます。

具体例

奴隷は主人の指示に従うが、仕事や学校の時間は自由。
公共の場では通常の関係を維持し、プライベートな空間でのみ主従関係を適用。

信頼関係を築く

一方的な強制ではなく、納得した上で楽しむことが大切。

具体例

週に1回、契約内容を見直し、お互いの気持ちを確認する。
セーフワードを決めて、万が一のときは必ずプレイを中止できるルールを設定。

トラブルを防ぐ

曖昧なルールをなくし、安心してプレイする環境を作る。

具体例

「○○のプレイは絶対にNG」と契約書に明記し、後から揉めないようにする。
罰則は精神的・肉体的な負担にならない範囲で事前に決めておく。

奴隷契約書を作成することで、主従関係をより明確にし、プレイのルールや制限をはっきりさせることができます。ここでは、契約書に含めるべき主要な項目について詳しく説明します。

奴隷契約書の基本構成

契約書には、以下のような項目を入れます。

主と奴隷の関係を成立させるためには、それぞれの役割や責任をはっきりさせることが重要です。契約書には、どのような立場で関係を築くのかを明記しておくとよいでしょう。

主従の役割（主人と奴隷、それぞれの立場）

主人の責務：奴隷の安全と精神的ケアを最優先する。
奴隷の義務：主人の指示に従い、誠実な態度を保つ。

具体例

第1条（関係の定義）
本契約において、○○（主人）と△△（奴隷）は、合意のもとで主従関係を結び、互いの役割を尊重するものとする。

プレイの内容についても、事前に合意を取っておくことが大切です。どのような行為を許可するのか、どこまでの範囲なら受け入れられるのかを契約に明記することで、トラブルを未然に防げます。

プレイの内容（何をするか、どこまで許すか）

許可されるプレイの種類（ソフト or ハードSM）
日常的な支配の範囲（服装・言葉遣いのルールなど）

具体例

第2条（プレイの範囲）
1. 奴隷は、主人の指示に従い、以下のプレイを許可する。
– ○○（例：拘束、アイマスク）
– △△（例：言葉責め、指示プレイ）
2. ただし、以下のプレイは禁止する。
– ××（例：流血を伴う行為、公共の場でのプレイ）

プレイの安全を確保するために、あらかじめ禁止事項を定めておくことが大切です。これにより、予期せぬ事態を避け、お互いが快適に関係を楽しむことができます。

禁止事項（NGプレイ、セーフワードなど）

奴隷が絶対に受け入れたくないプレイをリスト化
セーフワードの設定（例：「レッド」で即中止）

具体例

第3条（禁止事項）
1. 以下のプレイは禁止する。
– 肉体的な危険を伴う行為（例：窒息プレイ、刃物使用）
– 公共の場でのプレイ
2. セーフワードは「アップル」とする。奴隷がセーフワードを発した場合、即座にプレイを中止する。

主従関係の維持には、一定のルールが必要です。違反があった場合にどのような対応をするのかを明確にすることで、関係がスムーズに進みます。

罰則（ルールを守らなかった時のペナルティ）

軽微な違反と重度な違反でペナルティを区別する。
肉体的な負担が大きすぎる罰はNG。

具体例

第4条（罰則）
1. 奴隷が軽微な違反（例：指定された服装を着ない）をした場合、以下のペナルティを科す。
– 罰則：○○（例：反省文を書く）
2. 重度な違反（例：セーフワードを使わず勝手にプレイを抜ける）をした場合、主人は契約を解除できる。

SM契約は、短期間のものから長期間のものまでさまざまです。契約期間を明確にし、更新のルールを設定しておくことで、お互いの負担を減らしつつ、より良い関係を築くことができます。

契約期間（短期間 or 長期）

短期契約（1ヶ月、3ヶ月など）
長期契約（6ヶ月～1年以上）
更新のルール（○ヶ月ごとに話し合って継続可）

具体例

第5条（契約期間）
1. 本契約の期間は、○○年○○月○○日から○○年○○月○○日までとする。
2. 双方が合意した場合、契約の延長を行うことができる。

これらの項目を明確にすることで、お互いが安心してSM関係を楽しむことができます。

奴隷契約書のテンプレートとサンプル

SMにおける奴隷契約書は、関係性やプレイのスタイルに応じてさまざまな形があります。

ここでは、代表的な契約書の種類と、それぞれの特徴や活用方法について詳しく解説します。

初心者向けシンプル契約書

この契約書は、SM初心者向けに、最低限のルールだけを決めたシンプルなフォーマットです。過度な縛りを設けず、お互いが安心して関係を築けるように設計されています。

主な特徴

お互いの役割（主人・奴隷）を簡単に定義
どんなプレイをするのか、許容範囲を明確に
禁止事項を設定し、安全に楽しむためのガイドラインを記載

適したシチュエーション

初めてSM関係を築くカップル
軽めの主従関係を試したい場合
長期的な契約をする前のトライアル

契約書の一例

第1条（目的）
本契約は、○○（主人）と△△（奴隷）の間での主従関係を明確にし、相互の信頼のもとでSMプレイを行うために締結する。

第2条（プレイ内容）
1. 奴隷は以下のプレイを許可する。
– 軽い拘束
– 言葉責め
2. 以下のプレイは禁止する。
– 体罰を伴う行為
– 公共の場でのプレイ

第3条（契約期間）
本契約の期間は1ヶ月とし、双方の合意により延長可能とする。

SM初心者向けに、最低限のルールだけを決めた契約書。

本格派向け詳細契約書

この契約書は、調教内容や罰則までしっかり決める、上級者向けの契約書です。より深い主従関係を築きたい場合に適しています。

主な特徴

奴隷の義務と主人の責務を細かく記載
プレイの内容やルールを詳細に設定
罰則の適用条件を明確化し、関係の安定性を向上

適したシチュエーション

長期間の主従関係を築きたい場合
調教を細かく管理したい場合
お互いに深く信頼関係を築いている関係

契約書の一例

第1条（主従関係の確立）
1. 本契約において、○○（主人）は△△（奴隷）を所有し、奴隷は主人の指示に従うものとする。
2. 奴隷は、主人の命令に対して忠実であり、違反した場合には罰則を受け入れる。

第2条（プレイ内容）
1. 許可されるプレイ
– 拘束（ロープ・手錠）
– 調教（言葉責め・羞恥プレイ）
2. 禁止されるプレイ
– 出血を伴う行為
– 身体的に危険なプレイ

第3条（罰則）
1. 奴隷が主人の指示に従わなかった場合、以下の罰則を適用する。
– 反省文の提出
– 調教時間の延長
2. ただし、セーフワードが発された場合、罰則の適用は行わない。

調教内容や罰則までしっかり決める、上級者向けの契約書。

期間限定・プレイ限定契約書

この契約書は、短期間や特定のプレイのみ適用する形式です。イベントや特定のシチュエーションで主従関係を楽しみたい場合に便利です。

主な特徴

契約期間を明確にし、期間終了後は自動解除
1回限りのプレイ、特定のイベント向け
一時的な関係のため、シンプルな内容

適したシチュエーション

週末だけの主従関係
SMイベントでの主従関係
一定期間だけの関係を試したい場合

契約書の一例

第1条（契約期間）
本契約の有効期間は○○年○○月○○日から○○年○○月○○日までとする。

第2条（プレイ内容）
1. 奴隷は、以下のプレイを許可する。
– 指定された服装の着用
– 軽い拘束
2. 禁止プレイ
– 身体に負担をかける行為

第3条（契約終了）
契約期間終了後、双方の同意なしに契約は延長されない。

短期間や特定のプレイのみ適用する契約書。

【ダウンロード可】SM奴隷契約書（PDF / Word）

契約書を一から作成するのが難しい場合は、テンプレートを活用するのが便利です。以下のリンクから、テンプレートをダウンロードできます。

ダウンロードリンク：

契約書をカスタマイズし、自分たちに合ったルールを作ることで、より安全で楽しいSM関係を築くことができます。

テンプレートをダウンロードして、好きにカスタマイズ可能です。

SM奴隷契約は法的に有効？リスクと注意点

SM奴隷契約はフィクションの世界やプレイの一環として楽しまれることがありますが、日本の法律上は無効とされています。

ここでは、その理由やリスク、契約を安全に運用するポイントについて解説します。

日本の法律ではどうなる？

日本では、奴隷契約は法律的に無効とされており、実際に法的効力を持たせることはできません。

その理由は以下の通りです。

自由意思の原則：日本国憲法では、すべての人が自由な意思を持ち、強制されることなく行動できる権利があります。誰かを完全に支配する契約は認められません。
強制労働の禁止：労働基準法や刑法では、強制的に働かせることを禁止しています。たとえ契約があったとしても、労働や奉仕を強要することは違法です。
犯罪につながる可能性：暴力や監禁、脅迫を伴う場合、刑法の適用を受ける可能性があります。単なるプレイの範囲を超えた行為は犯罪とみなされることがあります。

そのため、SMにおける「奴隷契約」は法的な拘束力を持たないフィクション的な約束として扱うことが重要です。

契約するときは注意です。違法になるケースとは？

法的に無効とされるケース（ほぼ全部）

「永続的な隷属」や「契約解除不可」などの条項
自由意思を制限する契約は、公序良俗に反して無効（民法90条）と判断される。
「一生奴隷でいなければならない」などの条項は、実際の裁判でも認められない。
肉体的・精神的支配を強要する契約
「常にご主人に服従し、命令には逆らえない」といった内容は、強制労働や人権侵害の問題に発展する可能性が高い。これを強要すると、刑法の「強要罪」「監禁罪」「暴行罪」などに該当することも。
性的な契約（特に売買・提供の義務化）
性行為を義務化する契約は、公序良俗に反し無効。
さらに、金銭や利益と引き換えに性的行為を契約するのは「売春防止法」違反の可能性あり。

SM契約があったとしても、以下のような場合は法律違反となる可能性があります。

相手が嫌がっているのに無理やり続ける → 同意のない行為は「暴行罪」「傷害罪」に該当する。
途中でやめたいと言われてもやめさせない → 「監禁罪」「強要罪」に問われる可能性がある。
暴力や精神的なダメージを与える → 度を超えた行為は「傷害罪」「虐待」と判断されることも。

このように、たとえ合意があったとしても、相手が望まない行為を無理強いすると法的に問題になります。プレイの範囲を超えないよう十分に注意しましょう。

SM奴隷契約を安全に運用するポイント

SM関係を楽しむためには、お互いの信頼と安全が最優先です。以下のポイントを守ることで、安全に関係を築くことができます。

必ずお互いの合意のもとで決める
プレイ開始前に、内容やルールをしっかり話し合い、双方が納得した上で進める。
定期的に契約を見直す
関係性やプレイの内容は変化するもの。契約を定期的に見直し、お互いにとって無理のないものにする。
セーフワードを決めて、いつでも中断できるようにする
プレイ中に辛くなった場合は、セーフワード（安全停止の合図）を使えるようにする。主従関係の中でも「やめる権利」は絶対に守る。
日常生活とプレイを切り分ける
SMはあくまでプレイの一環。現実生活に支障をきたさないよう、仕事や社会的な関係と明確に切り分ける。

奴隷契約はSMプレイの一環として楽しまれることが多いですが、日本の法律上は無効であり、法的拘束力はありません。 実際の関係を築く際には、お互いの合意・安全対策・適切なルール設定が何よりも重要です。

SM奴隷契約を交わす前にチェックすべきこと

基本的になんでもそうですが、信頼関係が必須です。相手に対して何か引っかかる点がちょっとでもあったら考え直した方がいいです。下記、参考にしてみて下さい。

信頼できるパートナーの見極め方

SMの主従関係では、相手が本当に信頼できる人かどうかが超大事。危ない相手にひっかからないために、これをチェックしよう。

ルールを守る人か？
- セーフワード（やめてほしいときの合図）をちゃんと守るか。
- 一方的に命令するだけじゃなく、お互い話し合えるか。
- 奴隷を「モノ」扱いせず、大切にしてくれるか。
元カノ（元奴隷）とトラブルがなかったか？
- 「前の奴隷はすぐ逃げた」「従えないならいらない」などの発言をする人は危険。
- 過去に問題を起こしていないか、一度よく考える。
リアルとプレイをちゃんと分けられる人か？
- 仕事や学校、家族や友達との時間を大事にしてくれるか。
- 「24時間ずっと支配する」とか、やりすぎなことを言っていないか。

こんな人には注意

「セーフワードなんていらない」「奴隷は黙って従え」と言う。
自分のことばかり話して、こちらの話を聞かない。
仕事や学校を辞めさせようとする。
「契約したら絶対逃げられない」と言う。

プレイの一環なのか、自分がどこまで求めているのかなど、しっかりあなたの性癖や関係性を明確にしましょう。

契約内容はちゃんと読んだ方がいい（法的には無効だが慎重に確認）

SM契約は特別な関係だからこそ、内容をしっかり確認することが大切。

法的には無効だが、お互いの合意を守るために重要な役割を持つ。相手が用意した契約書にそのままサインするのではなく、以下のポイントをチェックしよう。

自分が納得できる内容か。
一方的に不利な条項がないか。
契約の解除や見直しのルールがあるか。
セーフワードやNGプレイの記載があるか。

話し合いながら契約内容を決め、お互いが安心して関係を続けられるようにすることが重要。

事前に話し合うべきこと（話会える相手なのか）

契約する前に、どんな関係を築きたいかをしっかり話し合おう。

お互いが納得しないまま始めると、後で後悔する。

どこまで従うのか決める
- 服従の範囲はどこまでか。（性の奉仕だけか、精神的な支配も含むのか）
- 何を命令されるのか、ちゃんと確認する。
プレイの内容とNGをはっきりさせる
- 何をするか、何は絶対にしないか。
- どれくらいの頻度でプレイするか。
- 痛いプレイ（鞭・拘束・羞恥プレイ）はどこまでOKか。
セーフワードを決める
- しんどいときにすぐやめられる合図を決める。（「レッド＝即停止」「イエロー＝ちょっとキツい」など）
契約をやめるルールを作る
- 何ヶ月ごとに見直すか。
- 「やめたい」と思ったら、どうすればいいか。
- 一方的に支配され続けないように、終わり方を決めておく。